6年目の愛してる
「申し訳ないが、そこを通してもらえるかな?あ、あとコイツのこと写真で撮ってたみたいだけど消して欲しいな?君もイヤでしょ?大切な人が世間に晒されてしまうなんて」
俺の不様な姿を収めたらしい女子高生に課長がニコリと詰め寄る。
課長のイケメン具合に顔を赤らめながらも、目力に負けたのか頷いていた。
「あ、あの人たち本当に恋人だったの?!」
「噂のボーイズラブってやつじゃない?」
「で、でもあんなイケメンに愛されるなんて羨ましい・・・」
「てゆーかさ、男なのにあんなにキレイになれるなんて。あたしら負けてない?」
「ぶっちゃけあの服すごくセンスいいよねぇ」
「俺・・・男だけどあの人イケるわ・・・」
俺の手には、課長からもらったオレンジ色のユリの花。
そして、課長に肩を抱かれてしまっている。
完全に誤解を生んでしまっているらしい。
このイケメンにはお嫁さんがいらっしゃいます・・。
なんていっても今この場では誰も信じないだろうな。
「課長まで誤解されちゃいますよ・・すいません」
「ん?気にすんなよ。お前、センスいいって褒められてるぞ!よかったな」
課長はどこまでも優しい人だな。
俺、この人の部下で本当に良かった。