キノピオな人生
1日目(第1話)「オレ、ニチオ。」
《出社》
「あったま痛ぁ~い・・・」
キッチンでコーヒーを入れリビングに戻ったときに、寝室から女の声がした。
「はぁ~。やっちまった・・・」
そう胸の内でつぶやきながら、Yシャツの袖に腕を通す。
オレの名前は紀乃日緒。
「キノ ニチオ」である。実家の近所にあるお寺の住職が、その日暮らしではなく真っ当に人生を送る、そんな人間になるようにという意味を込めて命名してくれたそうだ。親父が言うには高名な僧侶だそうだが、オレにとってはどちらでもよい話だ。
「ヤバっ! 今日も走らないと遅刻しそうだっ!」
キッチンでコーヒーを入れリビングに戻ったときに、寝室から女の声がした。
「はぁ~。やっちまった・・・」
そう胸の内でつぶやきながら、Yシャツの袖に腕を通す。
オレの名前は紀乃日緒。
「キノ ニチオ」である。実家の近所にあるお寺の住職が、その日暮らしではなく真っ当に人生を送る、そんな人間になるようにという意味を込めて命名してくれたそうだ。親父が言うには高名な僧侶だそうだが、オレにとってはどちらでもよい話だ。
「ヤバっ! 今日も走らないと遅刻しそうだっ!」