キノピオな人生
全く普通のサラリーマンであるオレにとって、朝は地獄だ。会社は最寄りの駅から徒歩12分。今日もダッシュで7分内に着かなくては、部内朝礼に遅れてしまう。オレは日頃から「今時、部内朝礼を毎日やるなんて時代遅れだ!」と言ってはいるが、同僚達は毎日遅刻ギリギリのオレの姿を見ているので、笑いながら話を聞いてくれる程度だ。実際この部内朝礼は、部長が毎朝読んでくる新聞のコラム欄に対しての部長個人の読書感想を述べるのが主となっていて、甚だ迷惑なものであることには違いない。
朝礼が終わり、すぐさま課長から呼ばれた。

「はぁ〜。なんッスか?」

「紀乃君、君はもっと早く出社できないのかぁ!」
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop