紅アリスと薔薇乙女

ガルルルルルルルルルルルッ

グルルルル…

また唸り声が聞こえてきた。

「今度はアリス一人に任せるわけにはいけないような数だな。いくぜっ!」

と紅の言葉を合図に4人は走り出した。

『天使のやさしい輝きは、かの者達を浄化する。』

梨音は不思議な声色で呪文を詠唱した。

「あれっ?妖精使いじゃなかったっけ?」

と紅が剣を振り回しながら久柳に言った。

「バカかお前!妖精使いは魔法も使えるの!わかったか!?」と久柳は怒り気味に紅に言った。

「あっそうかよ!」

と言い、また戦いはじめた。…が、標的(ターゲット)がいない。

さっきの梨音の呪文で梨音がウルフ全員を浄化してしまったのだ。

「…俺たちも浄化されるのかな…変なことすると…」と紅が言った。

ゴッッ

「バカ野郎!不吉なこと言うんじゃねぇよ!」

と久柳に拳骨された。

「だってよー(泣)」

と言ってまたアリス一行は歩きだした。

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