紅アリスと薔薇乙女
「ふぅ-…どうやらウルフの縄張りに入っちゃったらしいわね~」
キュ~!
何かの鳴き声がした。
「あ~あほんっと今日は厄日ね」
キュウ~!!
ベシーンッ
「ってぇなっ!」
ドゴッ
「キュウー…(チーン)」
「ふんっ!雑魚の分際でこの俺に勝とうなんざ500億年早いんだよっ!」
その雑魚とはこの世界で一番最弱なモンスター、ピヨッコであった。
「まぁ、雑魚だからな。」
「まぁ雑魚だもんね。」
「……。」
アリスはすこしピヨッコがかわいそうになった。
「ん!?」
キュキュキュキューーーーー!
なんとピヨッコの群れがすぐ近くまで来ていた。
『悪魔の灯はすべてを無にする。』
ゴォッ
紫色の炎が梨音の指先に灯った。
そしてその炎は真っすぐピヨッコの群れに飛んで行った。
「キュウウウウウウーー…(チーン)」
「すごいな…」
「あんたが遅いのよ。」
紅のことをもうあんた扱いしている梨音。
「でもすごいよね~梨音みたいな妖精使い始めてみた!」
「全然そんなことないよ~あたしより強い人なんか…いるかな…」
と梨音は考え出した。