紅アリスと薔薇乙女


ショップ到着。

チリリーン

「いらっしゃい!」

と、愛想の良いおっちゃん店員が言った。

「とりあえず薬草を買いましょう。1ゴールドの薬草ください。」

とアリスは言った。

「おいおいおい、お譲ちゃん?商売ナメてもらっちゃ困るぜ?そんなんじゃ俺は飯を食っていけねーよ?最低でも100ゴールドは貰わねーとな」

(1ゴールドはこの世界での通貨です。)

「それって世界一安いってことですよね?」

「あったりめぇだ!これ以上に薬草がやすい国ってないぜぇ?」

と店員が自信有り気に言った。

「メルニア国も調べたと?」

「おうよ!国という国を全て調べたぜ?」

とまたまた自信有り気に言う店員。

「それっていつの話かしら?」

「ほんの30年まえの話だ。」

とまたまたまた自信有り気に店員は言った。

「ちょっとちょっと、ナレーターさん!俺は店員じゃなくて店主だぜ!?」

おっと、すみません。店主さんでいらっしゃいましたか。

「おうよ!世界一安い雑貨屋の店主とはずばり、俺のことよ!」

はぁ、そうですか。そろそろ私も本来の仕事にもどさせてもらいますね。では。

「…ナレーターさんも大変ね。では、話に戻りましょうか。貴方の店は今では世界で2番目にやすい雑貨屋よ?名前早速変えてみたらどう?」

と首を傾げてアリスは言った。

「はぁ?100ゴールド以下で薬草を売ってる店なんて聞いたことがないぜ!?」

「それは貴方の情報網が狭いからよ。一番安く薬草を売ってるのは、メルニア国の[セリア]という店ね。あそこにはあたしも良く行ったわ。」

と懐かしそうにアリスは言った。

「で?その薬草の値段は?」

と久しぶりに紅が口を出した。

「1ゴールドよ?でもセリアの店は大繁盛だったわ。他の武器やら何やらもなんだかんだ言っても安かったしね?」

「…1ゴールドになりましゅ。」

と店主は100個薬草を持ってきた。

「えぇ!?これが1ゴールド!?安すぎるわ!他の冒険仲間にも宣伝しておくわね♪」

と言ってアリス一行は不幸な店を後にしたのだった。
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