紅アリスと薔薇乙女
今度こそお城到着。
「メルニア国のアリスよ!ここの門を開けなさい!」
と大きな声で叫んだ。
「え?メルニア国のアリス?ってことはアリスってお姫様!?」
と梨音は驚いた表情でアリスに言った。
「うん。そうだよ?ありゃ、ごめん。言ってなかったっけ?」
「そ、それじゃあ…その名前も…」
と梨音は言いかけたが、口を閉じた。
「な、なんでそれを…!?ねぇどうして!?」
と少しアリスは取り乱してしまった。
「落ち着けアリス。」
といつにもなく真剣眼差しで紅はアリスを見る。
「ご、ごめんなさい。つい…」
と言ってアリスは俯いた。
「♪~ただいま~☆あ~すっきりした☆」
とトイレから戻ってきた久柳は晴れ晴れした表情を浮かべた。
「KY。」
「KYすぎだろ」
「…」
「あ、すまん。つーかどした?アリス?」
と俯いたアリスが心配になって久柳はアリスの顔を覗いてみた。
「…っ」
そこには悲痛と辛さで歪んだ表情のアリスが居た。
「おい…まじでどうしたんだよ…」
と久柳は心配そうに言った。
「…ごめんなさい。今日は気分が優れないの…宿捜して、早めに休みましょう。」
とアリスは震えた声で言った。
「…いいよ。わかった。」
「そっか。わかった。」
「…しょーがねーよな。行くか。宿捜し。」
と言ってアリス一行は宿を捜す。すると安易に宿は見つかった。
「ほんと…ごめんね?」
とさみしそうな声で謝り、アリス一行は眠りについた。