君の隣で
長いHRが終った。
細かい事は明日決めるらしい。
他のクラスも終ったらしく、にぎやか声が聞こえてくる。
朝一緒に来た瞬は、色んなやつと赤外線をしていて、まだ掛かりそうだ。先に行っててと
目で合図を送られる。すると、
「…なあ。」
不意に後ろから声を掛けられる。
「…俺、秋元悠太って言うんだけどさ、お前は何ていうの?」
「…水瀬潤。」
「んじゃさ、友達にならん?俺、知り合い、いなくてさ。」
第一印象は明るく、屈託のない笑顔をする。
ああ、人間て、こんな笑顔できるんだって感じの。
弟みたいな奴で、カッコいいより、可愛い?っつーか…とにかく悪くない。
誰にでも好かれる感じ。
これが、これから先、一生の友となる秋元悠太との出会いだった。
「…どうした?」
「いや…別に。」
「んじゃさ、アドレス交換して…くれる?」
「…良いよ。」
「良かった!じゃあ、潤て呼ぶわ。つか、断られるかと想ってビクビクしたよ。」
「何で?」
「だって…あんま人と話してなかったし…」
「そうか?」
「うん。でも、意外と良い人でよかった。」
「あ?」
「おこんなよ?…ほら、潤って、中学の頃、色々としてたんだろ?」
「…まあな。」
「でも、良かった。んで、頼みがあるんだけど…」
「何?女の紹介は嫌だからな」
「そんなんじゃ無くて…ほら、あそこの…」
そう言うと席に座っているやつを指差す。
「…あいつがどうかしたのか?」
「友達になりたいな…って。」
「…良いんじゃね?」
「一緒に来てよ。」
「は?」