春夏秋冬【短】



そんな私の心情を知ってか知らずか…旦那様は撫ぜることを止めない


旦那様…ののかの心臓は、今にも破裂してしまいそうです…。


「案外何処にでも咲く花なのだけれど、見たことなかったのですね。」


そう言って、徐(おもむろ)に腰を上げられた旦那様


必然的に頭から離れた手に、寂しいと思ってしまった自分を戒めるため、自らの手をグッと握り締めた



その間にも旦那様は橙色の中に進み行き、花…夕化粧に近寄ると傍にしゃがみこんだ

そして先程同様に私を招く


私は置かれてあった草履を穿くと、真似っこするように旦那様の隣にしゃがんだ



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