春夏秋冬【短】
私のその行動を見て、何時ものように目を細めている旦那様
「けれど…ののかさんには必要無かったなぁ。」
「え?」
「ののかさんは色白だから…素肌が一番美しいですね。
だから、此方の方が似合います。」
言うが早いか動作が先か、牡丹色の夕化粧が髪に差し込まれた
さぁ、そろそろ夕食ですね、お腹が空きました。
そして、立ち上がった旦那様は、まるで何事もなかったかのように歩き出す
一方の私はと言えば、動くことさえできず、ただ熱い自分の顔を両手で包みこんだまま、その後ろ姿を呆然と眺め続けた