春夏秋冬【短】
「…っ、ゴホッゴホ…!!」
「旦那様!!」
激しく咳き込み始めた旦那様の背を擦る
その背中はお世辞にも肉付きが良いとは言えなかった
「…旦那様、お身体も冷えてます。
今日はもう…。」
「ゴホゴホッ…!」
必死に頼んで見ても、旦那様は動いてくれない
「〜っ!!」
怖かった。
「旦那様…!お願いですから…!!」
「ゴホ!の…のかさん…?」
「お…願いです…、心配なんです…旦那様…!」
はしたないと知りつつも、その背にすがり付くように抱き付いて呟けば、
旦那様が躊躇いながらも宥めるように頭を撫ぜる。
「ごほっ…、大丈夫、大丈夫ですよ…。
ごめんなさい。
大丈夫ですよ。
戻りましょうか。」
ポンポンと背を叩かれることで、自分が震えていたことに初めて気が付いた