春夏秋冬【短】




襖の前に立ち、頬に手を添え口角を持ち上げておく


笑顔で、明るく…。



「失礼します。」



スーッと静かに襖を開き、中央に敷いてあるお布団に近づく



見るからにふかふかの掛け布団は密かに上下していた



寝てらっしゃる?



ひょこっと覗きこめば、額に汗を浮かべた旦那様

依然熱が高いようだ



苦し気に眠る旦那様が痛々しくて、私は顔をしかめながらも、冷えている手をその額に手を添えた



するとその冷寒に反応してか、旦那様はうっすらと目を開ける



「…ののか、さん…?」



寝起きの掠れた声と熱に潤んだ瞳が、不謹慎だとは思いながらも、とても妖艶だと思った



「きもち…」



旦那様はヘラリと笑うと、額に乗る私の手に、自らの熱い手を重ねた




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