春夏秋冬【短】
ぽた、ぽた
止めどなく溢れる涙が、お布団に染みをつくる
じわじわと広がるそれは、まるで私の悲しみのように、すべてを浸食していく
「だ、んな様…、そんな、そんなことっ言わ、な…で!
私…私は、旦那様のことが…」
そこまで言った刹那、旦那様の手が私の口を塞いだ
「…口にしては、駄目だ、ののかさん。」
先刻までの弱さなど感じさせない強い瞳に見詰められ、私は何も言えなくなり、静寂に包まれる
なぜ?
なぜですか?
言わせても、貰えないのですか…?
この気持ちを、
広がり続ける熱い感情を、
私は隠し通さねばならないのですか?
独りで、
抱えておかねばならないのですか?
「…っ、ふ…うぅ〜…ひっ…!」
押さえられた口許から嗚咽ばかりが漏れた