隣の先輩
第9章 夕焼けの傍らで
ゴールデンウィークはもちろん学校が休み。
学校が休みだと先輩に会う可能性もぐんと低くなることに後から気づいた。
先輩がいつ出かけて、いつ帰ってくるかなんてわからなくなるからだ。
母親に買い物を頼まれて家を出たときだった先輩の家の扉が偶然開く。そこから出てきたのは和葉さんだった。
「今からお買い物?」
「はい」
和葉さんの洋服は普段着とは少し違っているような気がした。彼女の手にはバッグが握られている。
「和葉さんはお出かけですか?」
私の言葉に和葉さんは目を細めている。
「今日から旅行に行くの。二泊三日でね。主人は仕事が急に入って、駅で待ち合わせ」
「先輩も?」
「稜は行かないって。だから止めようともしたんだけど、気にしなくていいから行って来いって言われてね」
学校が休みだと先輩に会う可能性もぐんと低くなることに後から気づいた。
先輩がいつ出かけて、いつ帰ってくるかなんてわからなくなるからだ。
母親に買い物を頼まれて家を出たときだった先輩の家の扉が偶然開く。そこから出てきたのは和葉さんだった。
「今からお買い物?」
「はい」
和葉さんの洋服は普段着とは少し違っているような気がした。彼女の手にはバッグが握られている。
「和葉さんはお出かけですか?」
私の言葉に和葉さんは目を細めている。
「今日から旅行に行くの。二泊三日でね。主人は仕事が急に入って、駅で待ち合わせ」
「先輩も?」
「稜は行かないって。だから止めようともしたんだけど、気にしなくていいから行って来いって言われてね」