隣の先輩
彼女は私と先輩を交互に見ると、私たちの前を無言で通り過ぎ、階段を下りていく。
私と先輩が一緒にいるのを変に思っているのかもしれない。
一年の間で人気があるということは、三年の間でもそうだって可能性も高いからだ。
長居するのも気が引け、先輩と電話番号とアドレスを交換すると、教室に戻ることにした。
◇
家に帰ると、先輩の携帯の番号とアドレスをじっと見つめていた。
いつでもチャイムを鳴らせば会えるのに、携帯の番号などを手に入れたことが嬉しくてたまらなかったのだ。
用事がないので、メールを打ったり、電話をかけることはできないけど、
それでもこれでいつでも先輩と連絡が取れるんだって思うと、嬉しかった。