隣の先輩
 咲が着てきたのは茶色をベースにしたチェックのキャミタイプのワンピだった。


その下には袖にアクセントのあるワンピースを着ている。


そして、足元には濃い茶色のサンダル。髪の毛はいつも通りにおろしているけど、それでもすごく可愛い。


「可愛い」


「この洋服、安かったんだ」


 咲は洋服を褒められたと勘違いしたのか、そう笑顔で答えていた。


 この場に愛理がいたら、そうじゃないと絶対言うだろうな。


 お店の多い通りに行くと、体中に視線が感じるのが分かった。


 最近よく感じるようになった、私でない誰かを見ている周囲の視線。


 確かに可愛いから無理もないんだけど、その視線の多さにびっくりしてしまう。男の人だけでなく、女の人も見ているからだ。


 でも、咲は相変わらず涼しい顔をしている。
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