隣の先輩
「咲、ですか?」


「そ。まあ、お前や賢の妹なら大丈夫か」


「何がですか?」


「なんでもない」


 先輩と咲は少し話をしたことはあるが、そんなに親しそうには見えなかった。


 先輩が咲を気にしていたことを不思議に思いながらも、何でもないといわれてしまい、その理由を聞けなかった。


 先輩は咲の何を知っているんだろう。


 私は先輩のことも、咲のこともあまり知らないのかもしれない。


 咲は何でも聞いてくれるが、自分のことはあまり話をしようとしないからだ。


 今日はほんの少し彼女を知ることができて嬉しかったけど。


 落ち込みかけた自分に元気を入れるために、心を持ち直す。


 出会って二ヶ月とかで相手のことを知ろうとするのが間違っているんだ。


 少しずつ知っていけばいいと思ったからだ。今日みたいに。


 可愛いものの前で戸惑っている咲の姿を思い出し、落ち込んだ心が明るくなる。


 先輩は家の前まで来ると、私に持っていた愛理へのプレゼントを渡してくれた。



 お風呂をあがり、部屋に戻ると、部屋の隅に置いている愛理へのプレゼントを見た。


最後にびっくりすることがあったけど、咲と楽しく過ごせたし、楽しい休日だった。

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