隣の先輩
「外で食べようか。俺が買ってくるよ。何がいい?」

「サンドイッチ。卵サンドの入っているもの」


 私はそう返事をした。


 依田先輩は西原先輩にも聞くと、笑顔を浮かべる。


「裏庭の花壇の裏のところで。あそこなら人が少ないし」


 裏庭の花壇のベンチと言われても、どこを指すのか分からなかった。


 戸惑っている私をよそ目に、依田先輩は返事をしていた。


「分かった。来いよ」


 そう言うと、西原先輩は歩き出す。


 私が依田先輩を見ると、彼はついて行けと言っているようだった。


 私は西原先輩の後をついて、学食から離れる。


 人で溢れていた空間の外に出て、ほっと胸を撫で下ろす。
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