隣の先輩
第16章 約束
 夏休みの直前に一日かけて球技大会がある。


 運動があまり好きじゃない私にはちょっと嫌な行事だった。


 でも、私だけが嫌がっているのかと思えば、そんなわけでもない。


 愛理は憮然とした表情を浮かべていた。


「私も卓球がよかったな」


 彼女は半ば強制的にバレーに借り出されていた。


 それは彼女が運動神経がいいからだろう。


 体育の授業を見ていると、それがよく分かる。


 でも、私の周りで運動神経がいいのは愛理だけではなかった。
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