隣の先輩
 咲は呆れたような笑みを浮かべると、肩をすくめていた。


「決まったんだから仕方ないって」

 女子は卓球とバレーの二択。


 私と咲は卓球に決まっていた。


 ちなみに男子はサッカーと卓球の二択だった。先輩たちがどちらに出るかは知らない。


「咲だって、バレー得意なのに」


 初対面のときの咲は運動が得意なタイプには見えなかった。


 でも、愛理と並ぶほど運動が得意だった。

 愛理だけ狩り出されたのは、愛理はなんだかんだ言って頼みやすいタイプだからだろうって思う。


「頑張ってね」


 咲は笑顔でそう告げていた。


 咲も愛理も運動が得意で羨ましいなって思う。

 練習といってもそんなにみっちりあるわけでもなく、六月から七月の体育の授業でする程度だった。
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