隣の先輩
 あれだけ嫌がっていた愛理が練習を重ねるに連れてやる気を出していくのが目に見えて分かった。


 愛理は学校の成績も私に比べてかなりいい。手を抜けない性分なのかもしれない。


 咲もそんな感じに見えた。

 球技大会を明日に控え、準備のためかいつもより早く学校が終わる。


「お前は卓球だっけ?」


 西原先輩の言葉にうなずいていた。


「宮脇と一緒か。あいつに当たらないといいな」


 あれから先輩との会話に宮脇先輩の名前がたまに出てくることがあった。


 私と彼女が知り合いだと知ったからかもしれない。


「宮脇先輩は上手いんですか?」


「かなりね。あいつ運動全般得意だから」


 想像してかっこいいなと思っていた。

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