隣の先輩
第19章 夏
 もう辺りはじめじめとした空気が満ちていた。


 空は澄んだように青く、対照的な白い雲が空に浮いている。


「どこか遊びに行かない?」


 愛理はそう切り出してきた。

「いいけど、どこに行くの?」


 そう言ったのは私。


「泊まりがいいけど、やっぱり難しいかな。私の家だと兄貴がいるし」


 別に依田先輩なら気にすることもないような気がする。


「でも、愛理の家って広いよね」


 そう言ったのは咲だった。


「行ったことあるの?」

「学校帰りに何度かね」

 同じ方向だとそうやって寄ったりできるのがいいな。


「私も愛理の家に行ってみたい」

「別にいつでもいいよ。私の家は。親もあまり家にいないし」


 愛理はそう言うと、肩をすくめていた。


 少し考えて、再び口を開く。


「咲の家と、真由の家に交互に遊びに行こうか。真由の家は新築なんでしょう」


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