隣の先輩
 もうすぐ後期の補習が始まる。


 まだ、先輩は家に戻ってきていないようだった。


 あれから先輩と話をすることはない。


 ほっとする反面、会って話をしたいという気持ちもあった。


 でも、会ってもどうすることもできないこともわかっていた。


 分からないことが多すぎた。


 結局、二人の関係を勘ぐってしまっていた。


 先輩は彼女から気持ちを伝えられたら、どうするんだろう。


 嬉しいと思うんだろうか。また、つきあいたいと思うんだろうか。


 そう考えても答えは出るわけがない。


「それ可愛いね」


 咲は興味深そうに私の着ている洋服を見ていた。
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