隣の先輩
第26章 今はこのままで
残暑という言葉がぴったりなくらい、強い太陽の熱が地面を照りつけていた。
後期補習の最後の日になった。
後は少し休みがあって、二学期がはじまる。
私はもう先輩と咲の話は気にしないようにしていた。
でも、先輩とデートをしたことはなんとなく言い出せなかった。言っていいことなのか分からなかったからだ。
体育祭があって、あっという間に冬が来て、また春が来る。過ぎ去ったばかりの春の訪れが哀しかった。
咲は机の上にある鞄を手に取る。
「帰ろうか」
いつも帰るときにやってくる彼女の存在がないことに気づく。
「愛理は?」
教室を見渡すと、既に愛理の姿はなかった。
「今日はお兄さんと帰るんだって」
珍しいこともあるんだと素直に思った。
愛理は自分の兄と帰る場所は一緒なのに、一緒に登下校をすることはなかったからだ。
後期補習の最後の日になった。
後は少し休みがあって、二学期がはじまる。
私はもう先輩と咲の話は気にしないようにしていた。
でも、先輩とデートをしたことはなんとなく言い出せなかった。言っていいことなのか分からなかったからだ。
体育祭があって、あっという間に冬が来て、また春が来る。過ぎ去ったばかりの春の訪れが哀しかった。
咲は机の上にある鞄を手に取る。
「帰ろうか」
いつも帰るときにやってくる彼女の存在がないことに気づく。
「愛理は?」
教室を見渡すと、既に愛理の姿はなかった。
「今日はお兄さんと帰るんだって」
珍しいこともあるんだと素直に思った。
愛理は自分の兄と帰る場所は一緒なのに、一緒に登下校をすることはなかったからだ。