隣の先輩
どんなに苦しくても大丈夫。時間が経てば痛みは減るはずだから。
だから、少しずつ、この胸の痛みが治まるのを待とうと思った。
◇
玄関のドアを開けたときだった。
目の前に人の姿を確認して、身動きが取れなくなる。
「一緒に行こうか」
彼は笑顔を浮かべると、私にそう言ってきた。
嫌だと言えれば少しは楽になるのかもしれない。
でも、先輩から誘われたということが、やっぱりうれしいという気持ちがあったんだろう。
胸の痛みを感じながらも断ることができなかった。
私は家の外に出ると、先輩の少し後ろを歩いていく。
分かっているんだ。先輩は私に対する本心を言っただけで、私を気遣う必要もないことくらい。
事実を言っただけ。
それで傷付いているのも私だけなのだ。
だから、少しずつ、この胸の痛みが治まるのを待とうと思った。
◇
玄関のドアを開けたときだった。
目の前に人の姿を確認して、身動きが取れなくなる。
「一緒に行こうか」
彼は笑顔を浮かべると、私にそう言ってきた。
嫌だと言えれば少しは楽になるのかもしれない。
でも、先輩から誘われたということが、やっぱりうれしいという気持ちがあったんだろう。
胸の痛みを感じながらも断ることができなかった。
私は家の外に出ると、先輩の少し後ろを歩いていく。
分かっているんだ。先輩は私に対する本心を言っただけで、私を気遣う必要もないことくらい。
事実を言っただけ。
それで傷付いているのも私だけなのだ。