隣の先輩
 昼休み、窓の外に見知った姿を見つける。顔は見えないけど、なんとなくシルエットから誰か分かる。


 森谷君と先輩だった。


 何を話しているんだろう。森谷君と先輩はたまに話をしているのを見たことがある。


 最初、先輩の話をしたときに、森谷君がいい人といっていた。だから、知っていることは知っているのだろう。


 先輩は首を横に振ると、手を振って校舎を向くのが見えた。


 私は思わず隠れていた。


 先輩が顔をあげて、見られるのが嫌だから。

 顔は見えなくても、なんとなくで気づかれる可能性もあるから。


 しばらく経って、森谷君が戻ってきた。彼は私を見ると、目をそらしていた。


 何か怒らせるようなことをしたのかなと思ったとき、昨日のことが頭を過ぎる。


 昨日、彼に迷惑をかけてしまったのかもしれない。


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