隣の先輩
第34章 二つの雪だるま
 翌朝、眩しさで目が覚めた。


 それは太陽が昇っていたからか、別のものがそう感じさせたのかは分からなかった。


 私は寒さに体を震わせ、布団の中から顔を出す。


 でも、次の瞬間、起きたときの寒さを忘れて立ち上がっていた。


 そして、窓を開けると、昨日よりは幾分マシだけど、冷たい空気が飛び込んできた。


 私の目の前にあったのは雪の積もった世界。


 大雪というわけではないが、ベランダの手すりやベランダの中にも雪が積もっていた。


 私は手元にある雪に触れる。雪が手の平に触れ、すぐに水を残し消えていく。


 だが、そんな寒さも気にならなかった。


 いつも使っている履物に積もっている雪を払うと、足を通していた。



 今度はベランダの手すりまで行くと、雪をギュッとつかむ。


 冷たい白い塊が、手の平の体温を奪い去るのを感じながら、それを丸めていく。


 そのできた小さな塊を転がし、小さな雪だるまを作っていた。


 そこまで積もっているわけではないので、大きな雪だるまを作ることはできない。
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