隣の先輩
 そう言うと、私の背中をぽんと叩く。


 そんな依田先輩の行動に、ほっと胸をなでおろす。


 最初、先輩と親しくなるきっかけをくれたのは依田先輩だった。


 あのとき、依田先輩がテーマパークの話を持ち出さなかったら、ここまで親しくなれなかったかもしれない。


 私はいろいろと助けられていたんだなって思う。


「そうしますね」


 渡せればいいなって思う。


 私はそう思うと、お守りをもう一つ買った。


 そのとき、私の携帯が震えた。画面を確認すると、愛理からメールが届いていた。


 メールの内容は西原先輩と二人で家に帰れば?というものだった。


 私は依田先輩と一緒にいることを伝えようか迷ったが、結局ありがとうとだけ返事をしておくことにした。


 新学期にでも話をしたらいいと思ったからだ。


「愛理から?」


 私はうなずく。


「西原先輩と家に帰ればって」


 その言葉に依田先輩は肩をすくめていた。


「じゃあ、家まで送るよ」

「大丈夫ですよ。近いし」

「でも、何かあったら心配だからさ」


 なんとなくそう言ってくれる依田先輩の言葉に断りにくくなって、私は家まで送ってもらうことにした。


 西原先輩にも依田先輩と帰るからとメールで一応知らせておいた。
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