隣の先輩
第42章 卒業前日
受験の終了を喜ぶ間もなく、卒業式の準備が始まっていた。
今日は卒業式の練習があるので、三年も学校に来ている日だった。
学校に行く時間帯は同じはずなのに、先輩に会うことはなかった。
私たちもその後、学年末テストがあったりして、忙しいといえば忙しい。
私が教室に向かおうとしたとき、後ろから声をかけられる。
振り返ると、そこには森谷君の姿があった。
「おはよう」
私はその言葉に笑顔で応じる。
「明日、卒業式だね」
「そうだね」
「結局、先輩には告白はしないんだ」
「まだ決めてない」
あれから森谷君と険悪になることもなく、普通に話をしていた。
私が先輩のことで悩んでいると、分かるのかこうやって相談に乗ってくれる。
話をしないのも余計に気を使っていると感じさせてしまいそうな気がして、できるだけ素直に話をするようにはしていた。
森谷君は愛理と同じように告白をしたらいいのにと思っているみたいだった。
先輩の好きな人が私でない限り、告白しないと両思いにはなれないから。
もう諦めようと決めたけど、不思議と後悔はなかった。
あのピアスは私の気持ちを忘れさせてくれたのかもしれないと今になってみたらそう思う。
今日は卒業式の練習があるので、三年も学校に来ている日だった。
学校に行く時間帯は同じはずなのに、先輩に会うことはなかった。
私たちもその後、学年末テストがあったりして、忙しいといえば忙しい。
私が教室に向かおうとしたとき、後ろから声をかけられる。
振り返ると、そこには森谷君の姿があった。
「おはよう」
私はその言葉に笑顔で応じる。
「明日、卒業式だね」
「そうだね」
「結局、先輩には告白はしないんだ」
「まだ決めてない」
あれから森谷君と険悪になることもなく、普通に話をしていた。
私が先輩のことで悩んでいると、分かるのかこうやって相談に乗ってくれる。
話をしないのも余計に気を使っていると感じさせてしまいそうな気がして、できるだけ素直に話をするようにはしていた。
森谷君は愛理と同じように告白をしたらいいのにと思っているみたいだった。
先輩の好きな人が私でない限り、告白しないと両思いにはなれないから。
もう諦めようと決めたけど、不思議と後悔はなかった。
あのピアスは私の気持ちを忘れさせてくれたのかもしれないと今になってみたらそう思う。