隣の先輩
 話をすることで、その笑顔が変わってしまうことがなんとなくだけど嫌だった。


 西原先輩が突然まじめな顔をした。


「でも、じいちゃんの親に似ているらしいといわれたことはあるんだよね」

「隔世遺伝ですか」

 きっとその人もかっこよかったりするんだろうなと思ったけど、さすがに言えない。


「でも、ひいじいちゃんは少しはげていたみたいで、ちょっと複雑なんだけどね」


 そんなことを言い出す西原先輩に少し笑ってしまっていた。


「大丈夫ですよ。きっとそれでも素敵ですって」


 悪意なく、素直にそれでもかっこいいと言おうとしたんだけど、西原さんは複雑そうな顔を浮かべていた。


「ちょっと引っかかる言い方なんだけど」


 そう言った言い方は今までとは違って見えた。
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