隣の先輩
第5章 偶然
入学して、一週間くらいが経過していた。もう学校には慣れてきていた。
それは私だけではなく、他の人もそうみたいで、クラスメイトの話だけではなく、他のクラスの人の話もちらほら出てくるようになる。
そのときに出てきたのが、西原先輩の話だった。
女の子に人気があるとか、成績優秀とか、いい話ばかりが聞こえてきていた。
時期的なものもあるのかもしれない。
人の話を聞くとき、最初はいい話のほうを聞くことが多いからだ。
分かったのは、私が思っていた以上に人気がある人なんだってこと。
彼に話しかけたいけど話しかけられないと言っているクラスメイトの話を聞いていると、彼と一緒に学校に行った日が夢物語のような気がしてくる。