隣の先輩
第6章 デート

 先輩とのデートの日。


 その日の洋服は今年に入って買った胸元にギャザーにあるペールピンクのニットに、白のシフォンスカートに決めた。

 髪の毛は少しだけ巻いていた。


「おかしくない?」


「大丈夫だって」


 母親が呆れ顔で私を見ていた。
「そろそろ行かないといけないんじゃない」


 母親の言葉に時計を見る。待ち合わせ時刻の五分前になっていた。


 白い帽子を手に取り、慌てて家を出る。


 ドアを開けると、目の前に先輩の姿があって、思わず仰け反っていた。


「どうかした?」
< 98 / 671 >

この作品をシェア

pagetop