隣の先輩
私のそのときの反応がおかしかったのだろう。先輩は不思議そうな顔で尋ねて来た。
「いえ、何でもないです」
しかし、家を出てすぐ待ち合わせというのは心臓にかなり悪い。身構えるのが玄関先ということになるからだ。
少しは髪の毛とか頑張ってきたことに気づいてくれるんだろうか。
口に出しては言ってくれないと思うけど、気づいていてくれたらいいなと思う。
「じゃ、行こうか」
先輩はそう言うと歩き出す。
私は彼の後ろをついていく。
そのテーマパークはここから電車で一時間くらいかかるので、結構遠い。
でも、意外と苦痛には感じなかった。
先輩と一緒にいられるからかもしれない。
切符を買うとホームまで行く。
そこに停まっていた電車に乗り込んだ。
電車の中は比較的人が多い。