僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
『とりあえず!
今日、正之6時には帰ってくるから!
帰ってきたら用意するよ!』

ぷいっと口をとがらせながらそっぽを向く桜。

『ほんと可愛いなあ。』

私は桜の頭を撫でながら笑った。

『ていうか変装ってどうすんの?
この家から出るの確実に私か桜しかいないじゃん。』

『美月に頼もうよ。
せなが美月のふりしたらいいんじゃない?』

桜は喋りながら携帯をカチカチと押した。

『あ‥美月?
ちょっと頼み事あるんだけど‥
うん‥うん‥
ほんと?
じゃあ要らない服着て来てよ。
うん、そう。
はいはーい、じゃあね〜』

携帯で誰かに電話した後、桜は私の方を見てニコッと笑った。

『たぶんOKっぽいよ』
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