僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
ふと後ろを見ると私たちと同じスピードで軽がついて来る。

邪魔なのかな?

『桜!
私たち邪魔みたい』

それだけ告げると桜は走っていたスピードを落とし道の端にずれる。

軽を目で追いかけていると私たちの横で止まった。

何‥?

ーガチャ

『いや‥っ!』

何が起きているか分からない。

車から降りた男に桜が鉄パイプで殴られている。

『やめて!!!!!』

状況をやっと掴み私は男に飛び掛かった。

ーゴッ ガン ゴキ

男は鉄パイプを振り上げ桜を何度も殴る。

桜の頭から血がじわじわと出ている。

くるっと私の方を見て男は口を開いた。

『やっと二人だ。』

ぞわっと背筋に寒気が走った。

鳥肌が立ち頭の中に警報が鳴り響く。

桜を置いていけない。

どうしたら‥‥‥

『少し眠っててね。』

気持ちが悪い笑みを浮かべながら男は鉄パイプを振り翳した。
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