僕 の 愛 し い 人 [ホラー]
正之の車は桜を乗せ大きな道路を走っていた。

桜は窓から外の景色を見つつ正之に低いトーンで話しかけた。

『ほんとは何言われたのよ。』

『は?』

正之は前を見て運転をしながら聞き返す。

『電話で何言われたのよって聞いてんのよ!
何を隠したの?!』

正之は赤信号で止まった瞬間、冷や汗が出てきた。

―‥ばれてる‥

桜に言ってもきっと怖がらせるだけ‥‥

『聞いてんだよ!』

正之は初めて聞く桜の声と初めて見た顔を見て一瞬怯む。

そして電話の内容を正直に話した。
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