僕 の 愛 し い 人 [ホラー]


―『‥‥‥‥‥‥‥‥』

正之は桜の話しを聞いて少し青ざめていた。

『‥母さんが‥‥‥
あの男に犯されてる時の‥‥‥叫び声で通報があったんだって‥‥
その後、私‥父さんに飛び付いてただ泣いた‥。』

『‥お母さんは警察に被害届は出さなかったのか?』

『出したよ!
電話が毎日鳴って‥留守電には"殺す"とか色々言われてたのに!
結局‥警察は何もしてくれなかった‥‥‥‥。』

二人はそのまま黙りこんだ。

『父さんが‥
"いつ歯車がずれたんだ‥"って母さんの命日に必ず言うの。
幸せだったのにって。』

桜は泣きながら正之の手を握りしめた。
< 58 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop