百万回のイエス
浜岡の目線は俺の後ろに向いている。俺は振り返った。
そこには茶色い、肩までの髪をくるくると巻いた女の子と、同じく茶色い髪がまっすぐ腰まで伸びている女の子。
・・・嘘だろ・・・
びっくりした。髪の長い女の子は、俺が今朝出逢った彼女だった。
隣の子がこっちに笑顔で駆け寄る。
「愁(しゅう)!」
浜岡に飛び付きそうな勢いだ。彼女たちは俺の会社の近くの私立高校の制服を身に着けていた。
「柏木。こいつが俺の彼女の麗奈。水谷 麗奈だよ」
浜岡が麗奈・・・ちゃんを軽く指さして言う。