百万回のイエス
「こんにちは!柏木さん!愁から聞いてた通り、カッコいいですね!・・・って、ユキ!こっちおいでよ!!」
麗奈ちゃんは俺ににこりと笑顔を向けると、思いだしたように、彼女を呼んだ。
・・・ユキって言うんだ
俺はこっちに来る彼女を見て思った。風に髪がさらりと揺れている。
やっぱり今朝の子だ・・・
まさか、高校生とは・・・
彼女、ユキは麗奈の横に行き、浜岡に礼儀正しくあいさつをしている。くるり、と俺の方を向いた。
「こんにちは。」
はっきりと聞きやすい声だ。胸がどきりとなる。夕陽が彼女の白い肌をしきりに照らしていた。
「、こんにちは。」
高校生に緊張して、どうするんだ!俺!
一瞬、声が詰まって、あいさつが遅れた。
「ね!とりあえず行きません?時間なくなっちゃうし!」
麗奈がひょいと割って入って言った。