百万回のイエス




「今日、飲み行こうぜ!」




ほら、朝からこの調子
頭の中、楽しそうだな、こいつ




「いいぜ。仕事上がったら電話する。」




「ちょっと待った!今日、5時に上がれる?いや、てか上げろ!」




浜岡が俺の顔の前で焦って手を振る。
俺は今、絶対奇妙なものを見る表情を浮かべてると思う。




「は?何かあるのかよ?」




「い、いや、何もない!ないけど、時間もったいないだろ!とにかく5時上がりな!じゃ!」




浜岡が誰が見ても変と取れるような焦った声で言い逃げして行った。




・・・意味が分からん
そんなに飲みたいのかよ




俺はこの時、何も考えず、ただ浜岡のわがままかと思っていた。





「柏木先輩!」




「おわっ!何?」




隣の清水さんが上ずった声を掛けてきて、ぼんやりしてた俺はびっくりした。




「柏木先輩は浜岡先輩と仲が良いんですか?!」




「え?あ、あぁ。」




清水さんの乗り出しそうな勢いに圧倒されながら答えた。




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