星を食べたら


その夜、少女は丘の上から海を眺めていました。


夜空は雲が流れ、星が大群となり煌めいていました。


青年が少女を見つけ隣に腰かけます。





「寒くない?」



少女は笑って首を振り夜空を見つめました。


星が今にも流れ落ちそうなほどまたたいています。








青年がいいました。

「近頃、国に不満のある者が集まって革命軍を名乗っているらしいんだ」


少女は耳を傾けたまま海を見ました。


横顔は痩せこけているとはいえ女性へと近づいています。



青年が少女を見つめたまま続けます。

「…僕も、…僕もこの村を出て革命軍に入る。苦しいのはこの村だけじゃない、海側のやつらのように国に守られて人間を人間とも思わない奴等を許せない」


青年は大人びた表情で固く誓いを立てているようでした。











「だから!だから………キミも一緒に行こう。僕と、ずっと一緒にいよう………」

青年は震える体で少女を抱きしめました。


少女も頭をのせる青年をいとおしそうに抱きしめます。



遠くで海が泣いた気がした。


少女は小さく


「うん」


と言いました。
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