星を食べたら
彼女は星を口に運ぶと目を閉じた。
星が落ちた時のように世界を一瞬光らせ、体から七色の光を放っている。
急いで駆け寄ろうとすると彼女は手を伸ばし、来ないでと言った。
あ…あぁ………
彼女がいってしまう…いなくなってしまう。
けれど、足が彼女の元に動いてくれなかった。
彼女の体は七色の光を発し空に小さく小さく昇っているようだった。
「なんで、こんなことを…」
彼女の不幸の輝きが美しく見えた。
「私はね、あなたの邪魔になりたくないの。あなたは私が目の前で死んじゃったら、村の人みたいになっちゃう。
嫌なの…あなたはあなたでいてほしいから………私はこの不幸を空に帰します、そして空からあなたを見つめるの」
だから、だからずっと一緒。
私は星になっても落ちないの。
朝も昼も夜もあなたを見つめてる、ずっと一緒…約束だもの。
素敵でしょ?
きらきらきらきら光が夜空に昇っていきました。
少女が夜空に昇ると他の落ちた星も空に戻っていきました。