猫耳姫とメガネ王子
だけど、なんでだろう?


『手、出す気とかもないから』


と言われた瞬間、胸が痛くて涙が出そうになった。


「泊まる」


私は上半身だけ起こし、ベッドの端っこに座る壱の背中に抱きついた。


「ゆ……い?」


声だけで壱が戸惑っているのがわかる。
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