猫耳姫とメガネ王子
目のやり場がないっていうのは、きっとこの事だ。


化粧を落とした唯の顔は、眉毛が薄くなっていたけれど、それでも充分に可愛いと思えた。


「お、俺の部屋に行ってろよ。俺も風呂入って来るから」


「うん、わかったぁ~」


コクンッと素直に頷いたとき、猫耳を隠すために頭に乗っけていたタオルの中から、パタッとしずくが地面に落ちる。


「髪、ちゃんと乾かせよ?」
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