猫耳姫とメガネ王子
ムッス~っとして、不機嫌さ丸出しで、私は壱を睨みつける。


だけど、眼鏡越しの壱の表情はピクリとも変わらず、

「そう言うことだから、真っ直ぐ帰るように」

なんて親みたいなことを言って、教室へと戻っていってしまった。


「信じらんない」


ため息と共にそう言って鈴の方を見ると、壱の歩いていった方向をジィッと見つめている。


「相変わらず、カッコイイ!!」


目をハートマークにされている鈴に、私はまたため息。

< 8 / 473 >

この作品をシェア

pagetop