猫耳姫とメガネ王子
そして、唯が家で夕食を取った後、俺は唯を自分の部屋へと呼んだ。


ズボンの中に隠している、小さな小瓶にそっと触れて、確認する。


きっと、唯は半泣きに俺を頼ってくるだろう。


唯の涙を見るのは少し心が痛むけれど、それはそれで可愛いと思うし、一緒にいるためなのだから、仕方がない。


自分勝手にそう割り切って、俺はそのピンク色の液体を一滴、唯のココアに入れたんだ。


願いを込め、カップにそっと口付けをしてから――。
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