Swwet Love

第二章「こうして恋人としての…」



「リン…?」

恥ずかしかった。逃げてしまいたかった。
でも、ここで逃げてしまったら、
全てが終わりだと思ったから逃げなかった。

「いいの?俺なんかで」
「…ん、嫌だったら言わないよ」

美里は目を泳がせる。
それもそうだろう。親友と片思いの相手が、
自分の前で告白を成立させていたのだから――…

でも、今は友情より恋愛をとる。

「じゃあ、俺たち今からカレカノ?」
「…そういう、事…だよ…」

チラリと私は美里を見ると、はっ、とした。
美里が泣いていた。大きな声で喚いたりしないが、
静かにシクシクと涙を流していた。
私は美里に手を差し出した。傷つけたのは自分なのに。

「ごめん、美里…私、美里の気持ち知ってるのに…」
「何言ってるの。親友の幸せが、一番なのっ」

明るく言う美里だったが、瞳の奥には涙。
罪悪感という名のものが、激しく私の心を襲った。
美里の立場が私なら、泣いていたに違いない。

「ごめんね…」

私は優しく美里の頭を撫でた。
美里は涙を拭って、私を見て微笑む。

「私の分まで幸せになってよ?リン!」
「もちろん。約束するよ」

お互い笑いあって、軽く抱締め合った。
私たちの横で、輝が安心したように微笑んでいるのが見えた。
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