キョウアイ―狂愛―
「クレアさん、見てくださいよ!
貴方に似合いそうな物が盗品の中にあったのでつい持って来てしまいましたー♪」
ラッドがニコニコと差し出したのは、銀の美しい装飾の施された髪飾り。
「まぁ!ラッド。
……とっても素敵だけど、盗品なんだし……あたしが着飾るよりも、お金に替えて困っている人にあげましょうよ?」
自分を喜ばせる為に髪飾りを持ってきたラッドを、落胆させないよう、柔らかく断っているクレアの前で、
「ぐぇっ」
ラッドの頭にクレーンのように手がかかり、カエルのような悲鳴が響く。
「ラッドくぅ〜ん♪
な〜にオレの女にこっそり抜け駆けて貢ぎ物してんの〜!?」
ジキルがひきつった笑顔を作りラッドの頭に圧力をかけていた。
「お頭っ!いたっ、痛いっす!!
いつも優しい癒しの天使にプレゼントしてるだけですよ〜!下心とかはありませんっ」
「クレアが困ってんだろぉ。なぁ?」