この思いを君に
「なぁ、おまえ何読んでんの?」
隣の席の多野が、私が開けている本を見て言う。
「林檎の木とお姫さま」
表紙を見せながら言った。
「何それ、絵本じゃん。」
「…うん。他に何に見える?」
「だって…今、仮にも授業中だぞ?あと、浜野も高校生だよな?」
「何よー高校生にもなって、授業中に絵本読んでたら悪い!?」
「浜野さん。それは悪い事ですね。…後で職員室へいらっしゃい。」
……オーマイガー!
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