この思いを君に

「私、図書室の掃除だった!」






「遅れてごめんなさーい!」

「浜野さん、あなたは…そうね
本棚を整頓して下さい。」

それだけ言うと
先生は出ていった。



「…適当に終わらせて帰ろ。」



・・・




「あ!絵本!」

黒いぶっとい本が並ぶ棚に、
何故かそれはあった。

絵本のカラフルな背表紙は
場違いのようで、
ひとつだけぽっかり浮いていた。


「そういや、
私のは来週まで返さないって
言われたな…借りよ!」



< 18 / 68 >

この作品をシェア

pagetop