この思いを君に
「私、図書室の掃除だった!」
「遅れてごめんなさーい!」
「浜野さん、あなたは…そうね
本棚を整頓して下さい。」
それだけ言うと
先生は出ていった。
「…適当に終わらせて帰ろ。」
・・・
「あ!絵本!」
黒いぶっとい本が並ぶ棚に、
何故かそれはあった。
絵本のカラフルな背表紙は
場違いのようで、
ひとつだけぽっかり浮いていた。
「そういや、
私のは来週まで返さないって
言われたな…借りよ!」
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